2022年8月21日 / 最終更新日時 : 2023年11月6日 クェン酸 クェン酸のラノベ 第四症 霊薬少女と、烈火の春風 その1 「みんな! 窓から離れてっ!」 高峯先生の金切り声。 誰も躊躇しない。 躊躇させない迫力があった。 窓際の生徒たちが教室の中央に一斉に寄る! 「頭を低く! 守れる子は動けない子を!」 高峯先生が教壇から飛び出し、生徒たち […]
2022年8月12日 / 最終更新日時 : 2022年8月12日 クェン酸 クェン酸のラノベ 第三症 霊薬少女に、洗礼の儀式 その3 「なー、公家方君とばっか喋んなよぉ〜」 前の席の夏川さんが、もう我慢できないと言わんばかりに振り向いた。 彼女の黄金色したロングヘアがさらりと揺れる。 額に留められた雪だるまの髪留めが髪色とのギャップでやた […]
2022年8月12日 / 最終更新日時 : 2022年8月12日 クェン酸 クェン酸のラノベ 第三症 霊薬少女に、洗礼の儀式 その2 (ぷっ………ぷぷぷっ) 何とかこらえてはいるが自然と笑いが込み上げてくる。 「木津神 瑞月」と自己紹介をした彼女を三度、この教室の中で迷わせた。 残念だけどコレぐらいは切り抜けてもらわないと困るんだぞ。 意識しないと見逃 […]
2022年8月12日 / 最終更新日時 : 2022年8月12日 クェン酸 クェン酸のラノベ 第三症 霊薬少女に、洗礼の儀式 その1 目の前に広がるのは廊下。 慌てて見上げると『2年Ω組』の教室のプレート。 がらららっと教室のドアが開く。 「あら〜、木津神さん。席に迷っちゃいました?」 「え……え? 迷ったの? あたし」 何が起こったのか、さっぱり解ら […]
2022年8月7日 / 最終更新日時 : 2022年8月7日 クェン酸 クェン酸のラノベ 第二症 霊薬少女は、教室で惑う その3 「はーい。みなさん席に着いてますね。少し変わった時期ではありますが、新しいクラスメイトを紹介しまーす」 悪寒越えて戦慄しまくってるあたしの前をスタスタ歩き、教壇に立つ高峯先生。 この圧を感じないのだろうか。 いや、そんな […]
2022年8月7日 / 最終更新日時 : 2022年8月7日 クェン酸 クェン酸のラノベ 第二症 霊薬少女は、教室で惑う その2 白いブラウスの女性が前を行く。 そして肩越しに話しかけてきた。 「木津神さん、こんな時期に転入になっちゃって大変でしたね。手続きも急だったし忙しかったでしょう?」 「いえいえー、そんな大変ではなかったですよ […]
2022年8月7日 / 最終更新日時 : 2022年8月7日 クェン酸 クェン酸のラノベ 第二症 霊薬少女は、教室で惑う その1 新緑の季節である。 AIタクシーに乗りながら、あたしは窓の外を流れる巨大なブナやナラの落葉広葉樹林を頬杖ついて眺めていた。 青々というより鬱蒼と生い茂りまくった樹々は、どの幹を見ても活力満点。緑の枝葉を力いっぱいに伸ばし […]
2022年8月5日 / 最終更新日時 : 2022年8月5日 クェン酸 クェン酸のラノベ 第一症 霊薬少女とクロヤギの手紙 その3 何でそんな事が可能なのかって? 知んない。 物心ついた時から普通にできたのだ。 それに気づいたのは今から十年と少し前。 たまたま小学校の体育で派手に転び、膝を大きく怪我した子がいた。あたしは母さんの見よう見まねで、おまじ […]
2022年8月5日 / 最終更新日時 : 2022年8月5日 クェン酸 クェン酸のラノベ 第一症 霊薬少女とクロヤギの手紙 その2 ────むかーし昔、ほんの十年程前。 とある『事件』で世間を騒がせた少女がいた。 まあ『事件』というか周りが騒ぎ立てただけなのだが。少女とその周りにとっては『大事件』だった。少女の名前は「木津神 瑞月こづかみみづき」 何 […]
2022年8月5日 / 最終更新日時 : 2022年8月5日 クェン酸 クェン酸のラノベ 第一症 霊薬少女とクロヤギの手紙 その1 ──── この作品を《医学の父》ヒポクラテスに捧げたら、多分シバかれます。──── 「はーい。アーンしてねー […]